アメリカ三大トレイルのひとつ、パシフィッククレストトレイル(通称:PCT)を歩いて旅したやまゴリラの旅日記。
PCTはメキシコ国境からカナダ国境まで、アメリカ西海岸を南北に縦走する総距離4265kmのロングトレイル。スルーハイク(全行程をを1シーズンで歩き切ること)にはおおよそ4〜6ヶ月を要する。
衣食住のすべてをバックパックに詰め込み、アメリカの大地を放浪する旅の中でやまゴリラはなにを見て、そしてなにを感じたのか…。
そのすべてを綴った旅日記。
アメリカ入国編
B-2ビザ イミグレーション(入国)対策
先日、PCTのみならず海外ロングトレイルの最初の関門であろうアメリカ入国を無事に終えました。
自分もそうだったのですが、長期休暇を利用して海外旅行する人からしたら『どこが関門?英語苦手なの?5分で終わるやん!』と思われるかもしれませんが、海外ロングトレイルの場合そうはいきません。
なにせ私の場合、”無職”、”観光(ハイキング)で6ヶ月の滞在”。
不法移民と疑われてもおかしくないですよね?
ロングトレイルを知っている人からすれば6ヶ月を要することに何の違和感もないと思います。
しかしロングトレイルはまだまだマイナーな存在。
日本でも知っている人のが少ないのに、ハイキングカルチャーのない国の人からしたら意味不明ですよね。
ハイキングで6ヶ月て。
ただここはなんとしても越えなけれいけない壁。
イミグレーションの事だけではありませんが、延期中であった2年間、”入国”に関しては非常にシビアに考えてました。
準備を徹底するため、先人の知恵もお借りして用意した資料は下記。
①サポートレター(英語が堪能でないので概要説明)
②PCTパンフレット、PCTマップ、PCT許可証(PCTの概要説明。)
③残高証明書(旅行に必要なお金あるから働きませんよ〜。)
④父と妻からの手紙(家族いるしちゃんと日本帰ります〜。)
“不法に働かない事”、”ちゃんと日本に帰る事”
その2点に的を絞って資料を作成しました。
そしてついに迎えたイミグレーション。
飛行機内で全く寝ていなかったため、多少フワフワしながら列に並び順番を待つ。
『NEXT!』
一番当たりたくない気難しそうなタイプではなく、明るそうな印象の審査官。
『これはラッキー!でも要らん事を口走らないよう会話はシンプルに。』
そう言い聞かせて入国審査にのぞみました。
どうやら彼もPCTの存在を知っていたようで、
『旅行の目的』
『PCT?どっから出発するの?』
『何ヶ月くらい滞在する?』
『全部歩くのか?』
『トレイルで何食べるの?』
これで質問は終了。
…え?
別室送りで1時間以上かかったという話も聞いていたので呆気にとられた。
何はともあれアメリカでの6ヶ月間の滞在が許された!
この時、自分が背負っていた重荷を下ろすことが出来て気持ちが軽くなった。
思えば2020年、新型コロナウイルスのパンデミックによりPCTのハイキングが延期となり海外への渡航も難易度を増した。
入国規制やワクチン接種の条件等、目まぐるしく世の中の情勢が変わり、自分の心配はトレイル上の事ではなく入国する事に変化した。
変わりゆく情勢に対応できるよう常に情報をチェックし、今後追加されるであろう規制にも対応できるよう準備や想定をしてきた。
そんな事もあって今回の入国は過去の2年間が報われた瞬間でもあった。
あとは4200km歩き切るだけ。
2年間ひたすら我慢してきたので、その分最高の旅にさせてもらいます。
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