パシフィッククレストトレイル旅日記 PCT#3

PCT/パシフィッククレストトレイル
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アメリカ三大トレイルのひとつ、パシフィッククレストトレイル(通称:PCT)を歩いて旅したやまゴリラの旅日記。

PCTはメキシコ国境からカナダ国境まで、アメリカ西海岸を南北に縦走する総距離4265kmのロングトレイル。スルーハイク(全行程をを1シーズンで歩き切ること)にはおおよそ4〜6ヶ月を要する。

衣食住のすべてをバックパックに詰め込み、アメリカの大地を放浪する旅の中でやまゴリラはなにを見て、そしてなにを感じたのか…。

そのすべてを綴った旅日記。

前回の記事はこちら
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サンディエゴ滞在編

太陽の光輝くサンディエゴ

夢のPCT出発を控え、僕はサンディエゴから15マイルほど離れたEl Cajonという街のモーテルのチェックイン時間を待っている。

本来なら今日中にCampoにあるPCTの南ターミナス付近まで移動して前泊するつもりだったが、体調不良により急遽モーテル泊することに。

軽い頭痛と吐き気、それに加えてトロリー(電車)が遅延していたこともモーテル泊へ拍車をかけた。

まぁ長い旅だしのんびり行きましょう。

サンディエゴ市内を巡回するトロリー。行き先に関係なく同運賃で利用できる。

ここEl CajonはPCTの南ターミナスがあるCampoへのバスが発着する街。

トレイルエンジェル宅やシャトルサービスを利用するハイカーが多いが、普通の旅行なら訪れないであろう街に寄れること、何より安価だったので多少の煩わしさはあるが公共交通機関での移動をチョイス。

El Cajonでは今まさに南ターミナスへ向かうというハイカーに遭遇。

彼はコロラド州から来ており過去にCDT(Continental Divid Trail)をハイクしており、荷物も30L前後のバックパックでかなり軽量そう。

本場のULハイカーをはじめて見て、かっこよくてつい写真におさめてしまった。

コロラド州からやってきたジェイコブ。マウンテンローレルデザインのバックパックが強者感を醸し出す。。

私はというと5/7にアメリカに到着してから今日までの5日間、サンディエゴ旅行を満喫中。

過去にPCTや他多数のトレイルを経験してきたハイカーの友人にも『今年PCTを歩くハイカーには見えない』と何度も言われる程、緊張感がないよう。

だって大好きなアメリカなんやから遊ばな損やし、歩きたいトレイルなんやから入国しちゃえば後は全力で楽しむだけ。

身構える必要なんてないと思います。

メキシカンな空気が漂うオールドタウン。
10マイルほどの地元のトレイル。
観光客に人気のパシフィックビーチ。
近くに野球場があったのでサンディエゴパドレスVSシカゴカブスの試合を観戦。

自分を変えろ!

サンディエゴ滞在期間中、宿泊していたのはITH Adventure hostelといういわゆるゲストハウス。

様々な国から旅行者や留学生が滞在している多国籍な空間。

英語が堪能ではない私は、ここでのコミュニケーションに悪戦苦闘。

週に何度かバーガーパーティーやタコスパーティーが開催されるが、中々そこに飛び込めないまま一人部屋のベッドでゴロゴロしていた。

『心を開放すること』

PCTの目標の一つにしており、頭では一歩踏み出すべきだと分かっていたが、『まだトレイルじゃないしな…』と、言い訳をする自分がいた。

そして迎えた最終日。

節約のためにインスタントな食事を宿で作りたいが、いつもはキッチンに人が大勢溜まっており料理なんてできる状況でない。

しかしその日はちらっと覗くと年配の女性とサッカーのサポーターのような身なりの男性の2人しかいないではないか。

チャンス!!(と、思うのも良くないが…)

ささっとお湯を作りインスタントラーメンを沸騰した湯の中に投入。

すると後ろのテーブルで会話する2人からこんな声が聞こえてきた。

『I love Japanese food, Sushi, Sashimi…and more.』

突然聞こえた聞き慣れた単語。

何か自国を褒められているような気がして彼らに声をかける。

『You love Japanese food?? I’m Japanese!!』

すると彼らは『嘘だろ!お前日本人には見えないよ!!』と少し驚いている様子。

少し打ち解けて、というか彼らが不甲斐ない英語に付き合ってくれて色々な話をした。

日本食は美味いけど量が少ないという話、各国のハイウェイの法定速度の話、ドイツでは2〜3杯のビールなら飲酒にカウントされない話(ほんまかいな笑)、お互いの過去の話、等々…

互いの国のパスポートを見せ合いっこする中、自分の顔写真で初めて外国人から爆笑を誘うことに成功。

英語が苦手と察するなり僕に話を振る時はゆっくり話してくれたり、何度も繰り返し説明してくれたり、彼らの優しさに触れ、彼らから見ればなんでもないひと時であろうが僕自身からすればすごく特別な夜となった。

外国人と日常会話するなんてはじめてと言っても過言でない。

滞在最終日にこんな事が起こるのも運命なのではないだろうか。

変わらなければと思っていた矢先の突然の出会い。

彼らとあの場所、あの時間で同じになる事なんて本当に奇跡に近い。

PCT出発前に追い風に乗れたかの様。

過去の出来事全てが僕の味方をしてくれているように感じた夜だった。

いよいよ明日からPCTを旅する。

こちらが心を開けば相手も受け入れてくれる。

日本でもアメリカでもそう感じさせてくれる出来事が起こっている僕はラッキー。

全てに感謝し明日から全力で楽しもう。

コメント

  1. hirosan より:

    はじめまして。

    10年ぐらい前、
    僕もひとりで海外に行って、ゲストハウスに泊まってたときを思い出して、ちょっとほっこりしました。
    ありがとうございます。

    投稿楽しみにしてます。
    けど、投稿面倒くさくなるくらい、PCT楽しんでください!!

    • diddypyo より:

      はじめまして!
      コメントありがとうございます。
      まさか見て頂いている方がいらっしゃるなんて思ってもいませんでした!
      旅中はなかなか更新できませんがぼちぼち頑張ります!

  2. やまゴリラ diddypyo より:

    コメントありがとうございます。
    まさか見て頂いている方がいらっしゃるとは思ってませんでした!
    旅中はなかなか更新できませんが、ぼちぼちやっていきます!

  3. JK より:

    最高!!!!
    もう素敵な出逢いが!
    これを読みながら気づいたけども実は「素敵な出逢い」って割とそこらじゅうに転がってるもんで、それを素敵な出逢いにできるかは自分次第なのかと思いました。

    ブログをホーム画面に保存したからいつもチェックしてます!

    • やまゴリラ diddypyo より:

      日本にいて当たり前の生活してると意外といい出会いも見落としてがちになるよね。
      出会いもそうやけど、何事も受け取り手次第!

      全然頭の中がまとまらないけど、ちょくちょくUPします!

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