アメリカ三大トレイルのひとつ、パシフィッククレストトレイル(通称:PCT)を歩いて旅したやまゴリラの旅日記。
PCTはメキシコ国境からカナダ国境まで、アメリカ西海岸を南北に縦走する総距離4265kmのロングトレイル。スルーハイク(全行程をを1シーズンで歩き切ること)にはおおよそ4〜6ヶ月を要する。
衣食住のすべてをバックパックに詰め込み、アメリカの大地を放浪する旅の中でやまゴリラはなにを見て、そしてなにを感じたのか…。
そのすべてを綴った旅日記。
PCT 南カリフォルニア編 #1
Day1-Day4/Miles 0-77.1
カナダ国境に想いを馳せて
5月13日、強い日差しが照りつける中、ついにパシフィッククレストトレイルのサウザンターミナスに立った。
ここから約4200km、約5ヶ月間ひたすら足を前に進めるとカナダ国境に辿り着く。
思えば2年前、パンデミックによって旅の延期が余儀なくされた。
『自分がここに立てる日が本当に来るのだろうか。』
そんな不安を胸に、入国規制や各国の状況、そんな調べたくもない情報をひたすら追いかけ日々を過ごしてきた。
旅のスタートを切れた瞬間、そんな重荷をすっと下ろすことが出来た。

ここまで来ればもう楽しみしかない。
トレイル上の事なんてどうにかなる。と言うよりどうにかする。
興奮する気持ちに後押しされて、若干フワフワしながらもカナダの国境へ向けて一歩を踏み出した。

話に聞いていた通り灼熱の中、乾燥した景色を満喫しながら、一歩ずつ大地を踏み締める。
日本では見れないような植物や憧れのPCTのサイン。
初めてのデザートハイキング。
水分補給の感覚を間違えて、軽い熱中症の様な状態になりながらも、とにかく夢中になって歩き続けた。

”楽しい”という直感を信じて
現在、スタートから77マイル(123km)地点であるJulianという街に滞在している。
歩き出してたったの4日間だが、何から書いたらいいか分からないほど様々な事が起こった。
なにより一番に思うことは、他のハイカーへの感謝。
拙い英語で話し、何度も言い直してもらわないと会話にならない僕を受け入れてくれる。
『英語のリスニング難しいよねー』って言うと、
『じゃぁゆっくり話したら聞き取れる?』って話すスピードを合わせてくれたり、
僕に分かるような簡単な英語で話題を振りコミュニケーションをとろうとしてくれる。
そういえばトレイル上に国境も言葉の壁も無いって聞いたことあったっけな。
そんな彼らとトレイルや街で会うのが楽しみで、次はどんな話題を振ろうかななんて考えながら歩いている。


自分には他のハイカー達と想い出を共有するハートフルな旅が出来るとは思ってもいなかった。
きっかけの一つは、日本を出発する前にゲストハウスのオーナーと話していた事だろう。
『損がない』よりも『好き、楽しそう』という直感を信じる。
人はいつしか社会の中で自分に損のないような選択ばかりをしていないだろうか。
そりゃ誰だって損はしたくないし、後先の事を考えてしまう。
自分にも思い当たる節がある。
そんな話を出発前にして、この旅では『楽しそう』な方をひたすら選ぼうと。
実際、ここ数日間の中で『この時間ならあと数マイル進めるな』とか『今日あそこまで行っておけば明日が楽だな』という時もあったが、その時一緒にいた彼らと行動を共にする事を選んだ。
その結果、彼らと一緒に大勢で食事をしたり、昨日会ったばかりのハイカーと宿をシェアしたりと『自分にはできないだろうな』と思っていた事が出来ている。
とは言えまだまた旅は始まったばかり。
とりあえず言える事は今すごく心が満たされてます。
英語の得意で無い自分は、コミュニティに飛び込む事に構えてしまう事もまだまだあるけど、今後も『楽しそう』な方を選んでいこう。

コメント
いい感じや♪
今日こちらはみそしるハイキング笑
滋賀1ね!!
帰ったらオレも歩こうかなー🙆♂️
俺も今年は地方選手権大会と全日本大会に積極的に参加していく!!だから俺は『しんどい』方の選択をする事になってしまった。
コメントありがとうございます。
個人的には楽な方よりしんどい方のがいいと思います!そっちのがきっと後悔がないような気がします!