パシフィッククレストトレイル旅日記 PCT#8

PCT/パシフィッククレストトレイル
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アメリカ三大トレイルのひとつ、パシフィッククレストトレイル(通称:PCT)を歩いて旅したやまゴリラの旅日記。

PCTはメキシコ国境からカナダ国境まで、アメリカ西海岸を南北に縦走する総距離4265kmのロングトレイル。スルーハイク(全行程をを1シーズンで歩き切ること)にはおおよそ4〜6ヶ月を要する。

衣食住のすべてをバックパックに詰め込み、アメリカの大地を放浪する旅の中でやまゴリラはなにを見て、そしてなにを感じたのか…。

そのすべてを綴った旅日記。

前回の記事はこちら
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PCT 南カリフォルニア編 #5

Day20-Day29 341.6-566.5mile

自分と仲間とハイキングスタイル

ここ最近は順調に旅をしており、少しずつだが着実に北へ進んでいる。

遠いと思っていたシエラネバダの入り口であるKennedy Medowsもすぐそこまで迫っている。

それもそのはず、もう旅を初めて1ヶ月も経つなんて。

全然そんな実感がないというか、正直まだスタート前の自分と比較して何も変わっていない。

まぁいまから色々と変化が起こってくるのでしょう。だよね?

500マイルのサイン。PCTのトレイル上には100マイルごとにサインが作られている。

近頃はというと、ある程度自分のペースや1日の行動パターン、そしてペースの合うハイカーというのが固まってきている。

以前よりペースを上げている事で、顔見知りのハイカーと、はじめましてのハイカーがトレイル上に入り混じっている。

現在、5人のハイカーとモーテルをシェアしているのだが、彼らはグループであっても、あくまで個人を大切にしており居心地が良い。

以前、行動を共にしていたトレイルファミリーのメンバーとは違い、1日べったりと一緒に行動している訳ではなく、あくまで各々の好きなようにハイキングする。

好きな時間に起きて、自分のペースで歩いて、最終的になんとなく一緒になる。

自由に旅をしつつ、仲間との時間もシェアできる今のスタイルは自分に合っている気がしている。(今のところ笑)

ホテルのチェックイン待ち。ハイカーたちは日かげがあればどこでも昼寝。

50mile CHALLENGE

そんな彼らと50マイルチャレンジという1日で50マイル歩いてやろうぜっていう遊びをした。

Hiker townという、おそらく個人が作ったハイカーの溜まり場のような所から次の街であるTehachapiまで約50マイル。

砂漠地帯が続き、日中日陰なんてものは存在せず、水場も少ない。

標高も低く、熱波が来ていたこともあり日中は本当に暑い。ただひたすら暑い。

ナイトハイクでこの区間を歩くハイカーが多いがそのまま通しでいっちゃおうぜっていう算段。

自分1人ではまず間違いなくこの選択肢はなかったであろうが、彼らからの提案もあり即決。

だって楽しそうやん。

チャレンジを前に意気込むハイカーたち。こんなに明るいがもう19時過ぎ。

16時に出発して昼前に着けたらいいねーなんて話をして日中は体を休める。

昼寝、ハイカーとの会話、近所のカフェで食事、家族への電話、各々好きなように出発を待つ。

そしていつの間にか出発時間が17時に変更された。

自分のリスニング力の問題かもしれないが、暑いしちょっと遅くしよーみたいな特に理由のない軽いノリで。

まぁこの辺りは日時茶飯事。

だいぶこのゆるさにも慣れてきた。

もはや『だよねー』みたいな感じ。

日かげは争奪戦に。ちなみにハイカーたちの奥にある建物は宿泊施設。

『本当に50マイル歩けるのか?』

1日30マイル程度しかハイキングしたことない自分にとって、楽しみと共にそんな不安も少し抱えていた。

身体を酷使して今後に響かないかとか、そんな事が頭をよぎった。

ここまでの時点でも怪我でトレイルを離脱するハイカーも少なくない。

楽しみと不安が入り混じり、少しナーバスになりながらも出発を今か今かと待ち、迎えた16:50。

チャレンジに参加する予定のハイカーが夕飯を作り出したではないか。

この時点で17時の出発は夢となり、あまりの自由さに少し肩の力が抜けた。

ただ出発時間の延長はそれだけでは終わらない。

次は別のハイカーがヘッドランプを無くしたと騒いでいる。

パックパックを掘り返し、皆んなでハイカータウン中を探し回る。

そうしている内に夕飯を終えたハイカーが出発。

なんでそっちのが出るの早いねーん。

ほんと日本では考えられない彼らの時間の使い方。

時間を逆算するということをしないのかな。笑

こんなゆるさというか適当さに慣れてしまいました。というか少しリラックスできたり

出発を控える自分たちと、他のハイカー達の捜索は続き、なんとかヘッドランプを発見。

結局、出発したのは18:30を過ぎた頃だった。

ハイカー仲間のターザン、ウォーターボーイ、パピー。

実際のチャレンジはというと正直特に中身はない。笑

ここが辛かったとか、ペースがどうとか、何時間掛かったとか、そんなことは重要でない訳で。

ただ一つ言えることは一人だったら途中で嫌になってるだろうなと思った事。

眠いし、疲れるし、景色見えないし、普通に考えたら仮眠をとって2日に分けた方が効率的だし。

でも前後に仲間がいるだけでなんとなく頑張れる。

話しているとなんとなく気が楽になる。

なんとなく支えられる。

そんな薄い思い出しかありません。笑

歩き終えた後はヒッチハイクで街へ、それにしてもターザンは絵になる。

『歩き終えたら中華の食べ放題行こうな!』

そうずっと言って歩いていたのに、結局遠いからめんどくさいなと、モーテルでぐたぐだしてます。

こんな行き当たりばったりな日常が心地よいです。

今回は本当にただの薄い日記になりましたね。笑

サボテンの花がすごくお気に入りでついつい足を止めてしまう。

コメント

  1. nabetakashi0226 より:

    共有してるのに、ソロハイクの自由さ。
    最高ですね。

    出発時間に飯作り始めるとかめちゃくちゃ自由な空気感伝わってきました笑

    なんか読んでると日本にいながらにして肩の力抜けます。

    • やまゴリラ diddypyo より:

      変にグループに執着しないというか、あくまで重要なのは個人って感じがハイカーっぽくて気に入ってます!
      ここでは計画や段取りなんて意味がないなとつくづく思いますし、そんな生活って日本にいてはなかなかできないのですごく幸せです!

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